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南向きがいい!という先入観

何の写真でしょう?

はい、お城の中から見た城下の景色です。
いつだったか、姫路城に行った際に窓から見える景色を撮りました。
歴女でもなくお城好きでもない稲岡ですが、姫路城は感動しましたよ~。
ちょうど見学旅行だか修学旅行だか、中学生の団体や小学生の団体もたくさんいたのですが
子供たちの案内の方の話を横からチラ聞きして
「へー」「ふーん」といちいち感心していた、怪しいおばちゃんです(笑)

城内の窓からは城下町が一望でき、
その時代の人はここから町をどんな風に見ていたのだろうか
どんな思いで見ていたのだろうか・・・

平和とは言えない戦国の世の事ですので、
今の私が景色を見ている気持ちとは違うでしょうが、
この日はお天気も気候も良くて
窓から景色を見ている時間、
とても心地よい時間を過ごすことが出来ました。

もちろんお城なので高い土地にあり、さらに高い石垣の上に建っているため
城内の窓からは景色が一望できますが外からは全く中の様子は分かりません。
お城の中の様子は外からは全くわからないので
ある意味「完全プライベート」ですね!

さて、前置きが長くなりましたが本日は「南向きがいい!」という先入観について。です。

ほとんどの方はお家づくりをする際に
リビングも居室も「出来るだけ明るい部屋にしたい」とお考えになると思います。
そのため、日当たりが良い土地がいい!と希望されます。

でも実際には、土地の日当たりの良さと家の明るさや快適性には
あまり関係がありません。

というよりも実は、むしろ日当たりの良さが
かえって家の快適性を損なってしまう事もあるんです。

例えば、あなたが日当たりの良い南向きの土地を買ったとしたら
どのような間取りを希望するでしょうか。

おそらくほとんどの方は出来るだけリビングや居室を南向きにしてほしい。
と思われるのではないでしょうか。

では、そこで暮らしている姿を想像してみてください。

もし、南向きの土地に南向きの部屋をたくさんつくり
そして南側に大きな窓を作った場合
そこからはたくさんの光が入りますが、
同時にたくさんの視線も入ってくることになります。

そこで視線をさえぎるためにカーテンを閉めることになることでしょう。
カーテンを閉めっぱなしにしているために
想像していたほど光は入らなくなり、薄暗くなります。
また、外から丸見えになるということは、
防犯面においても不安をかかえることになります。
特に夜になると、照明によって人がどこにいるかまでわかってしまうので
防犯強化のためにもシャッターを付け、夜にはシャッターを閉めることになりそうです。

場合によっては暑さ対策のためにシャッターを閉める事もあるかもしれません。
もちろん台風時にも、ですね。

さてこのお家は本当に明るくて快適なお住まいでしょうか?

違いますよね。

カーテンを開けることが出来ない窓では、
もはや窓じゃなくて壁でも良いのではないか と思ってしまいますし
シャッターまで閉めてしまうのであれば、
ほんとうになぜそこに窓を作ったのか、意味がなくなってしまいそうです。

なぜそうなってしまうのか、

それは
「南向きに部屋を作らなければいけない」
という思い込みと
「南向きの土地がいい」
という土地に関する先入観です。

確かに、寝ている時間以外の多くの時間をすごすことになるリビングは
日当たりが良い南向きに作るのが理想です。
けれども明るさだけでなく快適性を確保するためには
プライバシーを確保することも大切な要素になります。
逆にいうと、
プライバシーが担保されていない状態では、いくら南向きに窓を作っても
あまり意味がなくなる ということです。

ではどうすればよいかというと
部屋の配置、位置をどこにするか、という事がとても大切になってきます。

もちろんこれは
その土地の環境に合わせないといけません。

住んでみてから後悔しないように
しっかり周囲の環境も考慮して、
土地探しやお家づくりをしていきたいですね!