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窓の作り方について考える

過去最大級と言われた台風14号接近の中、お客様のお家完成見学会を開催させていただいた川森建築です。

19日には暴風域に入ると言われておりましたが、ありがたいことに伊賀地方はそこまで酷い雨風もなく、夕方にはとても静かで「本当に台風が来ているのだろうか」と思えるほどでした。

日本は広く、あちこちで酷い被害が出ているニュースを見ながら、不安と共に過ごした夜でしたが、今朝からは少し風が強く吹く程度ですね。

見学会をさせていただきましたオーナー様には本当に感謝です。
お引渡し前のお家をお貸しいただきありがとうございました。

さて、シンプルノートのお家では、その外観からは想像できないくらい明るい室内をご体感頂けるので、
台風の影響でほぼ曇り空だった見学会中も、室内、特にリビングは照明をつけずにお迎えさせていただきました。
曇り空でも照明は付けなくて大丈夫なくらい明るいリビングです。
なぜか。
それには窓の作り方が大きく関係しています。

そんなわけで、本日は、窓の作り方について考えてみたいと思います。

「最近のお家は窓が小さいなあ」
「最近のお家は窓が少ないなぁ」
外観だけをご覧いただくと(プランの段階でのパースでも)
親御さんからそのように言われることがあります。
そして
「家の中が暗くなりそう」
という意見が聞かれるのですが、
そこで考えてみましょう、窓のサイズや数と家の明るさはどれくらい関係しているのでしょうか。

その前に、なぜ最近のお家は窓が小さくて少なくなっているのか考えてみましょう。

まずひとつには
構造の安定のため、という理由があります。
窓がつくところは耐震壁をつくることが出来なくなってしまうからですね。
ただし、高い耐震性を持たせるのには、
単純に壁を増やせばいいというわけでもなく
バランスよく壁をつくることが出来ているかも大切になります。

そしてもう一つの理由が
快適性を高めるためです。
最近の窓は確かに断熱性能が高くなりましたが
壁に充填する断熱材には勝てません。
断熱性が高い家の方が冷暖房が効きやすいため
心地よく過ごせますし、
温度差も生じにくくなります。
ですので節電にもつながります。

さらには、家を汚れにくくする という理由もあります。
外壁を汚れさせる一番の原因は「窓」です。
窓の横から垂れシミが流れて跡になっている様子を見たことがありませんか?
道路から良く見える正面の壁が汚れていると
気になりますよね・・・

最後に、収納力を高める という理由もあります。
これはどういうことかというと
例えばウォークインクローゼットに
換気がしたい という理由で窓を付けると・・・
その窓の前には何も置けなくなりますし
窓の開け閉めが出来るようにするために、
棚自体を1~2段減らさなといけなくなる場合もあります。
そうするとその分の収納が減ってしまうんですよね。
窓の大きさによっては、結構な割合で収納力が減ってしまうんです。
そもそも、日焼けの心配も出てきますし、
収納部屋には窓を付けずに
換気には換気扇を付けることをお勧めします。

というわけで、
色々な理由があって最近のお家は窓が小さく、そして少なくなっているわけですが
そこで大切な事は
窓本来の役割を果たすことが出来る窓が作られているか
ということです。

窓本来の役割とは
光を採りこみ、風を通すことですよね。
光がたくさん入ってくる方向に大きな窓を作ったとしても
そこが外から丸見えだったら
カーテンを閉めっぱなしになってしまいます。
となると、たとえレースのカーテンであっても
ある程度の光を遮りますし、風も遮ってしまいます。
また、立地や環境によっては、レースではなく遮光カーテンを閉めないといけない事もあります。
そんな状態では、窓の役割を果たしていると言えるでしょうか。

ではどうすればよいか・・・

間取りや窓の作り方を考える時は
まわりから家がどう見えているのか、
ということを想像しながら考えることが大切です。

窓が多ければ、また大きければ明るくなるわけではありません。
例えばすぐ隣に大きな2階建てのお家が建っていたら
その面にいくら大きな窓を付けても
カーテンをあけても
思ったほどのあかるさが取り入れられなくなりますし
そもそもカーテンを気兼ねなく開けられる窓でなければ
窓が少なく、小さくなった現在のお家では
いっそう家の中が暗くなってしまうので
建ててから「こんなはずじゃなかった」にならないよう
ぜひ気を付けてい頂ければと思います。