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設計は問題解決をご提案するもの
京都の「茂庵」ってご存知でしょうか?
私は去年の春~夏くらいだったかに友達と行ったのですが、京都の吉田山という山の山頂の広い敷地内に、大正時代に建てられた広大な茶庵を再利用したカフェで、建物は京都市の登録有形文化財にもなっているそうです。
そんなことは知らずにたまたま出かけた帰りに、「近くのカフェ」とググって行ったのですが・・・
駐車場からずっと山を登っていく感じで、お店近くまで車では行けません。
「本当にこの先にあるのだろうか」と不安になるくらい林の中を歩いたところで、この建物が見えてきました。
何か凄いとこやなーと思って帰ってから調べたら、京都市の登録有形文化財だっという・・・
お店の中も素敵な建物で、ゆっくりコーヒーとケーキをいただいて帰ってきました。
本当に素敵なカフェだったのでまた機会があれば行きたいなと思いますが、駐車場からお店までのあの道中を覚悟していかなければいけません(笑)
ここは「たまに行ってみたいカフェ」だから、この立地がかえって話題にもなり、良いのかもしれませんが・・・
ここが家だったら、と思うと中々厳しい笑
茂庵のような立地は極端な例ですが、
マイホーム建築を考えた時に土地探しからされる方にとって、「立地」「敷地条件」はとても大切で、さらには「価格」の事も合わさって、中々土地が決められない・・・・という方も多くいらっしゃると思います。
地域が決まり、価格的にもこの土地が自分たちに合ってるかなと思っても、現地を見に行って見るといくつかの懸念点が見つかることもあります。
例えば、高台だったり、周囲に家がないところだったら、そこで考えられる懸念点はどんなことでしょうか?
この場合は、強風の影響を受けやすい という事があげられると思います。
それは台風の時だけでなく、普段も、平地に比べると風当たりが厳しそうです。
ですので、このような土地で家を建てる場合は、可能な限り「平屋」を建てることをお勧めします。
2階建てよりも重心が低いので風の抵抗を受けにくいし、そもそも構造が安定しているからです。
逆に2階建てだと、風の抵抗を受けやすいですし、2階からの荷重負担も大きいので、風が吹くと余計に家が揺れることになります。
また逆に、周囲に家が立ち並ぶ住宅地の場合の懸念点はどのようなことがあげられるでしょうか?
周囲が家に囲まれているという事は、光が入ってきにくいのではないか?ということが考えられます。
この懸念点を解消するには、近隣の建物との距離を十分にとった場所に窓を作るか、より高いところから光を入れるようにするか?ということになります。
そして、それが難しそうだからと、南側に接道がある日当たりが良い土地を買ったとしても、また別の懸念点が出てきます。
それは、南側に大きな窓を作ることになるので、外からの視線が気になります。
ということは、カーテンを閉めっぱなしにしていないといけなくなります。
防犯面も気になるのでシャッターも必須ですね!
さらには外構に塀や目隠しをプラスして考えないといけなくなります。
そのような余分な出費が増えて、
カーテンを閉めっぱなしなので結局は薄暗い家になってしまいます。
せっかく日当たりが良い土地を買ったのに・・・(しかも一般的に南側道路の土地は価格も高いです)
家は環境に合わせて建てるものであり、設計とは、その土地が持つデメリット、様々な問題を解決するための手段でもあるんです。
環境に合わせて設計しないと、住んでから「あれ?」という事になりかねません。
お家づくりの際には、家の中の間取りばかりでなく、ぜひ周辺環境の事も考えてみていただければと思います。