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どんな土地にでもいい家は建つのか?
川森建築にご相談に来られるお客様には、家づくりを土地探しから始める方がとても多くいらっしゃいますが、地域柄ご実家の敷地内に建てようかと検討される方もとても多くいらっしゃいます。
もし、以下の2つの選択肢があったら、あなたならどちらを選びますか?
①親御さんが所有している土地、もしくはご実家の敷地内に空き地があり、そこに家を建てれば土地代は必要なくなるけれど、土地が狭いうえに南側に家が建っていてどう考えても日当たりが悪い。
②住みたいと思っている地域で丁度良い広さの売地があるけれど、土地代に1000万かかってしまうので、この土地にした場合は毎月の返済額も3万円以上違ってくる。
悩ましい・・・ですね
この選択にはあなたの年齢や収入や自己資金がどれくらいあるか、また家族構成など様々なご事情により違いますので、どちらを選択するのが正解 というのはありません。
ただ、特別な事情がないのであれば「わざわざ土地を購入する必要はないのではないか」というのが個人的な考えです。
例えば、奥行きが浅い約35坪の北向きの土地があって、すぐ南に2階建ての家が建っているとします。
冬の太陽の位置を考えると、この土地では南側の建物の影が入りほとんど日陰になりそうです。
こんな日当たりの悪い土地はやめておいた方がいいかな・・・と思ってしまうかもしれません。
この土地だと家の南側にリビングを配置しても全く光が入らなくなりますね。
それならば、リビングを南側に配置しなければ良いのですが、なぜか一般的には「リビングは南側」という考え方があり、そのような間取りにしがちです。
ですので日当たりが悪い土地よりも日当たりが良い土地を選びたくなるのですが、
では逆に日当たりの良い土地でリビングを南側に配置したらどうなるでしょうか・・・
道路から家の中が丸見えになりますよね?
ということはカーテン必須。カーテンを閉めっぱなしのリビングだと薄暗くて昼間でも照明が必要になってしまいます。
さらには台風や防犯に備えてシャッターも必要ですし、
また、目隠しの塀や植栽が欲しくなったりして、結果、外構代も高くなりがちです。
今の時期、毎日暑い日々でエアコンの電気代が気になっている方が多いと思いますが、実は照明の電気代も1年を通して結構かかっているものです。
常に照明をつけないといけない薄暗い家と、曇りの日でもしっかり明るさが確保できる家だと、照明にかかる電気代はかなり違ってきますね!
家の間取りを考える時、とても大切なことは
「この土地をどう活かすか」という事ではないでしょうか。
先に書きました35坪の土地に、車2台を停められるように家を建てようとするとどうしても2階建ての家になってしまいますが、
その条件の中で、明るさ、解放感、プライバシー、防犯・・・そして洗濯や掃除、家事のしやすさにも配慮したベストな間取りを考える必要がありますね!
長く(老後も)暮らしやすい家にするためには、とても大切な事だと思います。
そして家を建てた後、快適で楽しい暮らしにするためには、家づくりにかかるコスト(月々の返済額)の事だけでなく、ランニングコストも考えたいところです。
生涯払い続けることになる電気代、
定期的に必要になる外壁のメンテナンス費用、
老後のムダな増築、
外構やお庭のメンテナンス費用、
などなど・・・・
これらが高くなれば負担が増えてしまいます・・・
住宅ローンの月々返済額に加えてこれらの費用がかさんでくると、趣味や娯楽を我慢しないといけなくなり、それではせっかく家を建てたのに、楽しい暮らしとは言えないのではないでしょうか。
次回、このような狭小地でかつ日当たりが悪い土地の間取りづくりについて考えてみたいと思います!