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本当に大切な要望とは?
新築だけでなくリフォーム、リノベーションも数多くご依頼いただいている川森建築ですが、先日お引渡しを終えたK様より「とても快適にすごせている」とのお声を頂いたと川森より聞きました。
省エネ、脱炭素の取り組みとしての「先進的窓事業」という国からの補助金を利用して、リフォームの際に窓をすべて補助金対象の窓に付け替えられました。
もちろん壁や天井に断熱材も入れて、窓廻りの隙間も止めました。
これから寒くなってきますが、今回のリフォームでかなりお過ごしやすくなっていただけると思います!
さて、先日、建築とは全く関係ないのですが、プライベートでとある研修に行ってきて
そこで「ハッ」とさせられたことがありました。
講師の方から
売れる販売員さんとそうでない販売員さんの、お客様への商品案内などのお声がけの違いは何かわかりますか?
と聞かれました。
ただその商品について機能等を詳しく説明する販売員さんは10人のお客様がいらっしゃったら10回同じ話をするけれど、一人一人のお客様の立場に立って寄り添う販売員さんは10回とも違う話をする。
もちろん、後者の方が良く売れる販売員さんですよね。
と。
うーん今回の話は、店頭で物を売る販売員さんの話だったのですが、これはある意味なんにでも共通ですね~。
お家づくりにおいても、まぁ私は建築の細かい納まりや専門的な事は分からないにしても
弊社のお家の良さを一生懸命お客様にお話させていただく機会(見学会等)はあるわけで、
その際にただただ家の説明をするだけになっていないか、考えさせられました。
お家づくりって、「モノを売る」のではなくて「より良い暮らしをするためのお手伝い」の一つであるわけで、もっともっとお客様に寄り添えるように精進したいと思います。
と、前置きがかなり長ーくなってしまいましたが
最近のお家づくりにおいて当たり前になっていることが
「温度差の少ない快適な家にしたい」というご要望かと思います。
でも、それを叶えるには
断熱材や窓の性能が良いだけではダメで、いくつかの条件を備えないといけないのですが、
あまりにも「性能」が独り歩きしてしまい、「性能」だけを重視する考え方が浸透しすぎていて、実際にはその性能の良さを殺してしまっている家もあるような気がします。
まずひとつは
「窓は少ない方が良い」
ということです。窓と壁を比べると確実に壁の方が断熱性能が高いからです。
でも、暗いのは嫌だなと思い、窓を増やしてしまっていないでしょうか。
実際に窓を増やしても、窓のほとんどにはカーテンをつけるので
思ったほど明るくない・・という事にもなりかねないのですが。
もちろん窓を増やすという事はその分コストも上がるわけで
窓代とカーテン代がかかっていますし。
そして二つ目が
「家はコンパクトな方がいい」
ということです。面積が小さくなれば体積も小さくなるので家全体に冷暖房が循環しやすくなります。
ですので、なくても問題ない場所は省いたり、部屋の広さ数、家の坪数にもこだわりすぎない事も大切です。
また、「廊下」は空気を遮断するので、ハイスペック住宅では基本作るべきではないと思います。
ですので、出来るだけ廊下を無くすように設計することも大切な事なのです。
コスト面でも、廊下をなくすとその分のコスト削減できますし、ドアも減ります。
最後に
「家は平屋の方がいい」
ということです。
2階建ては上下の空気が確実に分断されるからです。
2階建ての家では、上下の温度差を最小限にするために、冷暖房と換気システムを利用した空調システムを導入することをオススメしている住宅会社はたくさんあります。
実際、この空調システムがあるのとないのとでは、快適性はものすごく違うと思うので、取り入れるに越したことはないのかもしれませんが
これには膨大なコストがかかります。
安価なもので100万円くらいはしますし、2~300万円する場合もあります。
そして、電気製品なので、いずれは故障する可能性が高いですし、
故障した場合、また途方もない高額な費用がかかる というわけです。
それならば、そもそも温度差を生みにくい平屋がいいのではないでしょうか。
そのお家でどんな暮らしがしたいか、家を建てたい!と思った時はもっと違う要望があったのに、色々な住宅会社に行って話を聞けば聞くほど、その性能のどこまでが本当に必要なのかわからなくなってしまうかもしれません。
そんな方の少しでもご参考になればいいなと思います。