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部屋は南向きであるべきなのか?

先週の日曜日は川森建築があるフリースペースと敷地内にて音楽イベントがありました。敷地も広いので敷地内外をイベント会場としてお貸しできますのでご興味ある方はご相談くださいね。

雨予報が心配でしたが当日はほとんど雨も降らず、暑い日ではありましたが伊賀の若者たちが集って盛り上がっていましたよ~。今回は「音楽イベント」でしたのでその日は商談やお打合せは無しにしていたのですが、仕事中聞こえてくる楽しい音楽と楽しそうな声に私たちも楽しい気分でした(^^♪

今日のブログは前回の続きです。

前回は「直射光」と「天空光」について書かせていただきました。
そもそも「直射光」だけで採光計画を考えていないでしょうか?という内容でした。

部屋は南向きであるべき!という固定概念に縛られているとよほど土地が広くない限りは2階建ての家にせざるをえなくなります。
もし「平屋がいいな」と思っていたとしても。です。

南側に家が建っている土地では、自分の土地の南側がその建物の影になってしまうので、1階につくる部屋に安定的に光を入れようと思うと、南側の家から離して、十分な距離をとらないといけなくなるため、そうすると80坪以上くらいの土地が欲しくなってしまいます。

その結果、余分にできてしまった土地の余白部分にも何かしら工事を施さないといけなくなり、外構工事費用がその分高くなります。
また目隠しの為のフェンスや植栽工事なども必要になりますし、それらを足すと結構なコストアップになりますね。

でももし直射光だけでなく天空光を使うことを前提として間取りを考えたら、「平屋なんて絶対に無理」と思っていた土地でも平屋を建てることが出来るようになります。

それは南側に建つ家との間に採光のための距離を設ける必要がなくなるからです。

例えば、北向きの55坪の土地に平屋の家を建てようと考えるのであれば、通常は採光確保のために余白として必要だと考えられていたスペースにも家を建てることで平屋が可能になります。
普通に4人家族が十分快適に暮らすことが出来る平屋が。
空が見える明るく広々としたリビングダイニングキッチンと、それぞれの部屋と十分な収納、そして室内干しができる広さの脱衣スペースがある平屋を、です。

このような土地でこのような設計をする場合はリビングダイニングキッチンを南ではなくあえて北に配置します。そうすることで必然的に南側に建つ家と十分な距離が出来るからです。

そしてリビングダイニングキッチンの南側に「中庭」スペースを設けます。
この「中庭」が家全体にまんべんなく光を届ける役割を果たしてくれます。

中庭をつくることで、南側だけでなく、東、西側に建つ家からも充分な距離を保つことが出来るからです。

敷地の南に配置した部屋には南からの光は入りませんが、中庭に面する北側に窓をつくれば、そこには直射光のようなまぶしい強い光ではないにしても、北側から安定した採光が確保できます。

そうなると外周面には採光のための大きな窓をつくる必要はなくなります。
つまりは風を通すだけの小さい窓でも十分ということになりますね。

そのような窓の作り方をすると、周りから家の中を見られる心配がなくなるので目隠しのカーテンは必要なくなるのではないでしょうか。

というように「部屋は南側に」という固定概念に縛られず土地に合わせた間取りづくりをすることが出来れば、ずっと住みやすい平屋を建てることが出来ますし、平屋の懸念点でもあるプライバシーと防犯性の低さを解消することもできます。

土地の日当たりを気にする必要がなくなると、土地の予算を落とすことが出来ますし、日当たりであきらめていた土地も候補にできるかもしれません。

また無駄に広い土地を買う必要もなくなりますし、さらに土地代を抑えることが可能になりますね。土地の面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられますしプライバシーや防犯を高めるための塀や植栽などの工事も、ほぼ、いえ全く必要なくなりますね。

というわけで間取りは土地の周辺環境をしっかり考慮して作るべきだと考えています。

ただ、平屋を建てるとなると、やはり多少はコストアップしてしまうので、そして中庭を作るとなると施工面積が増えるのでさらにコストアップしてしまうので、
次回はコストをできるだけ上げずに平屋を建てるために知っておいていただきたいことをお伝えできればと思います。